【レポート】“Engagement Commerce” ~ 最新事例に見るCRM x ECが生み出す新たな顧客体験 – Developers.IO TOKYO 2019 #cmdevio
“Engagement Commerce” ~ 最新事例に見るCRM x ECが生み出す新たな顧客体験
2019年11月1日(金)に、クラスメソッド主催の技術カンファレンス「Developers.IO 2019 TOKYO」が開催されました。
本記事では、濱野幸介氏によるセッション「“Engagement Commerce” ~ 最新事例に見るCRM x ECが生み出す新たな顧客体験」をレポートします。
レポート
自己紹介
- prismatix社長
- 良品計画のMUJIpassportの企画を担当
最近何をきっかけに購入されましたか?
- allbirlds
- RAVPOWER
デジタル利用状況の俯瞰
- 百貨店に行って欲しいものを探す時代→インターネット上の情報から自分が良いと思うものを探す時代
世の中の変化
- スマホシフト
- 本質的に良いものを求める
どのように時間を消費しているか
- 年代が若い人ほどテレビを見ない
- モバイルをみる人が多い
- インターネット利用に置ける時間消費の主戦場はスマホ
- スマホで消費される時間の主戦場はアプリ経由
- 8~9割がアプリ経由
- webが廃れたという訳ではない
- アプリからwebを見ていることもある
- でも、アプリはなかなか継続して使われない
- AndroidのストアTop10に入っているアプリでも90日たつと半分程度しか使われない
無印良品の場合
- コミュニケーション全体
- MUJIpassportを介し、年々、お客様の裾野が広がっている
- アプリがリアル店舗の方の客数増に寄与している
- 既存店売上の前期比プラスを支えているのは客数
- MUJIpassport会員ユニーク客数が年々着実に増加し、お客様の裾野が広がっている
- MUJIpassportのさらなる浸透
- クーポンをあまり配らない
- コミュニケーションツールとして活用している
- 情報の発信
- 店舗イベント
- アプリの評価
- 実際にお店にきてもらわないと意味がない
- お店での提示率を見ている
- ダウンロード数
- アクティブ数(月1回以上起動)
- 会員証提示率
- コミュニケーションを取れる人が確保できている
- 良品週間などのお知らせの効果が高い
- コミュニケーションを取れる人が確保できている
- 会員売上高比率
- メーカーさんの場合は顧客と直接繋がるのが難しい
- 資生堂さんのワタシプラスなどメーカーが顧客と直接コミュニケーションが取れるようにしている事例もある
- web vs アプリ
- 無印良品の場合はwebよりもアプリの訪問が多い
- fromMUJI
- MUJIにとってのタイムライン
- 商品の情報や無印良品の価値観発信、店舗のイベント発信
- 会員証の提示よりもfromMUJIの情報の方が見られている
- fromMUJI
- webサイトの閲覧理由
- 買い物前に商品をチェックする
- ECサイトで購買することが一番の目的ではない
- 店舗での買い物の前にカタログとして利用している
- 買い物前に商品をチェックする
- 無印良品の場合はwebよりもアプリの訪問が多い
- 非購買接触の効果
- ワークショップを店舗で実施している
- イベントへの参加者は非参加者に比べ購入金額が高い
- コミュニケーションがいかに購買にきくかがわかっている
今後起こりそうな変化
- O2O→オムニチャネル→OMO
- O2O
- 店頭への送客
- オムニチャネル
- ECと店頭の体験を一元化
- OMO
- 社内外のサービス横断でオンラインオフラインの区別なく体験を一元化
- ネットがリアルに溶けてきている
- O2O
- オンデマンドサービス
- Uber,Airbnb,Postmates,StarBacksのモバイルオーダーペイ
- オンデマンドで自分の好きな時に自分の好きなサービスを受けられる
- Uber,Airbnb,Postmates,StarBacksのモバイルオーダーペイ
- 定期購買
- Amazon/Dollar shave club 消耗品型
- biechbox ディスカバリー型お届け
- サンプル商品などが送られてきて新しい発見ができるモデル
- Netflix 定額××放題
- Mealpa 定期回数券サービス
- Costoxo メンバーシップ
- 定期購買とデータ活用
- D2Cとの組み合わせ、データ活用やAIも多い
- データ活用とかなり密接
- コンピューターだけで生成した服を売っているサービスも
- 一定の金額でレンタルし放題
- レコメンデーションが精緻化されていく
- 返品でさえレコメンデーションの精度をあげる大切な情報
- ビジネスモデルと密接に関わっている
- youtuber「網紅(ワンホン)」
- 個の時代
- 商品をyoutuberが紹介するのではなく、youtuberが商品を作り始める
- コスメの紹介で有名になった人が自分の欲しいものを届ける
- IPSY
- 配送受取方法の多様化
- Instacart
- Pickup Tower
- amazon fresh
- D2Cの勃興
-
Warby Parker
- アイウエア
- Casper
- マットレス
- 100日間無料トライアル
- 気軽に使用し、気軽に返品
- 小ロット生産、ソーシャルマーケティングを活用したビジネスモデル
- オンラインで受注、直接商品を提供
-
リアル店舗の再定義
- 身近なオンラインでの共感、ファンの獲得
- リアル店舗での体験を重視
- BONOBOS
- appleのGenius Bar的な存在
- 予約をして店舗に行くとコーディネートしてくれる
- いざ買うとなったらアイパッドを渡されECで購入する
- EVERLANE
- 服の原価を提示
- オンラインで成功し、リアル店舗で商圏拡大
- 間貸
- 色々なD2Cブランドを店舗で試せる
- b8ta
- re:store
- 色々なD2Cブランドを店舗で試せる
- BONOBOS
- 中国:モバイル決済
- 現金よりもモバイル決済が当たり前の状況
- モバイク
- 自転車のステーションでもないところに自転車が置いてあるので便利
- 決済はwechatやalipay
- フーマー
- アプリ決済が基本
- みんな壁に向かって決済している
- 有人のレジは一つくらいしかない
- Luckin Coffee
- アプリでコーヒーを注文し、店舗で受け取るか配送してもらうかを選ぶ
- 場所にこだわらない
- GINGER
- wechatさえ持っていればOK
- これ自体がコンビニの代わりになっている
- リアル店舗の定義:US
- Amazon go
- ZIPPIN
- eatsa
- ほぼ無人
- 商品を作っている人だけ後ろにいる
- 人を削るだけでもビジネスモデルは変わる
- Whole Foods
- グローサラント
- スーパーだが、お店で食べる、匂うも体験できる
- グローサラント
-
誠品生活
- 本屋だが本以外のイベントも提供している
- 単に無人とかデジタルだけでなく気持ち良い体験の所に人が集まる
- リアル店舗の再定義はどんどん進行中
時代変化を見据えた技術選択
- 何を提供するのかが問われる
- WHY
- HOW
- WHAT
- 体験を支えるための技術提供
- webだけとかアプリだけでなく総合的な体験をつなぐ
まとめ
リアル店舗は購買でなく体験を提供するという例だと、GUの GU STYLE STUDIOが思い浮かびます。
- 店舗に来店してGUアプリを立ち上げる
- アプリで商品のタグスキャンし、アプリ内カートに追加
- 店舗のサイネージでアバターを作成しコーディネートを試す
- カートに入った商品をアプリから購入
GU STYLE STUDIOのサイトでは商品のスキャンランキングを掲載するなど、実店舗での体験で取得したデータをwebに生かす試みもしています。売上のランキングではなく、商品を手にとって顧客が気になった、欲しいと思ったランキングなので面白いですね。
ネットはリアルに溶けてきており、今後さらにネット→リアル→ネットのような循環が進んでいくのではないでしょうか。